Q)組合に入るとどんなメリットがあるんですか?
A)本来的に組合への加入は自由意志に基づくもので,「職場の労働環境などを改善して欲しい」「給与条件などを改善して欲しい」などといった問題意識をもつ有志が,使用者との団体交渉権を有する組合を結成し,組合を通じて様々な要求や改善などを使用者側と交渉し実現を図ってゆきます。ですから,本来的には被雇用者の労働環境全般の改善を交渉を通じて図ることができる,それが「組合加入のメリット」と言うことができるでしょう。
しかし,もっと卑近なメリットを問う声が最近では多いようです。たとえば,当組合の場合ですと,「給与調査」などの各種アンケート調査結果を入手したり,各種研修会などへの参加を通じた学習機会が得られること,各種慶弔規程に従って一時金の支給があること,年1回ですが一人5000円を上限とした研修費の支給を受けられる,などが端的なメリットの例となっています。
そして何よりのメリットは,一人一人では微力でも,労働者が多数集まることで大きな力となることにあります。その結果,交渉力も格段に向上し,働く人たちにとって身近な問題解決を図ってゆくことが可能になります。
Q)大学における問題としてはどのようなものが考えられるのですか?
A)職員の場合には,週休二日制や法定労働時間数,休日出勤の取り扱い,時間外労働の取り扱いなど,労働条件に関するものや,制服着用が必要な場合の供与枚数や更衣室の設置などといった労働環境に関するもの,また,福利厚生に関する事項などが考えられます。
教員の場合には,授業拘束日と研究日の按分や,研究上必要となる経費支給などといった研究条件に関するもの,研究室の確保や教育研究に必要となる機器備品の配置など教育研究環境に関するものなどが考えられます。
さらに教員と職員に共通するものとして,それぞれが生計を維持してゆくために必要と考えられる定期昇給や一時金など,待遇に伴う課題なども考えられます。
Q)組合はどのようにして働く人たちの「声」を集約しているのですか?
A)組合は一般組合員のほかに執行委員がいて,定期的な会議を通じて組合運営や労働環境のチェックなどを行っています。このため,直接組合総会の場で「声」を上げたり,執行委員を通じて問題提起をする場合もあります。
また,アンケート等を利用して「声」を上げることや,現在では電子メールも有力な手段となっており,様々な機会を捉えて「声」を届けることができます。
Q)最近の組合活動の成果は何ですか?
A)就業規則の改訂として「週休二日制」を導入するにあたって,年間総労働時間が増加しそうになりましたが,大学の長期休業日(いわゆる夏休み,冬休みの時期)に合わせ休暇を保証することで,従来の労働時間確保が図られました。また,定期昇給に関して著しく低いものを交渉した結果,望ましいとは言えないまでも,納得しうる定期昇給が得られたこともありました。
これらのみならず,学内教職員の意識向上を図るために,年々規模が大きくなってきた大学の各部門でどのようなことが取り組まれているか,研修会が開かれたりしています。このような機会は,大学人としての意識作りと,取り組み姿勢を養う上で不可欠と考えられます。大学経営がより厳しさを増す中で,将来に向けて大学のあり方をあらゆるレベルで考えてゆくことはとても大切なことですので,組合としてもそのための環境づくりに貢献してゆくべきでしょう。